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疲れやすい人ほど知っておきたい「エネルギー代謝」の話【解糖系編】

どうも精密栄養カウンセラーのナカハラです。

実体験や日々の学びを元に、皆さんに役立つ健康情報をお届けしています!

ゴールデンウィークが明けましたね。

言っている間にまた土日があるので、まだまだ休み気分が抜けない方も多いのではないでしょうか。

皆さん、楽しく過ごされましたか?

僕はこのゴールデンウィークは久しぶりに夜更かしをしたり不摂生をしてしまいました笑

食生活も含めて、若干乱れている状況。

なので、ぼちぼち戻していこうと思っているところです!

リズムが崩れるとメンタル的にも上下するので、やはり日々のリズムは大事だなと改めて実感。

とはいえ、遊ぶと楽しいので、別の意味で心には良かったかなとも思います笑

このバランスが難しいところなんですが、いい感じに整えていきたいですね!

さて、本日は久しぶりの上級者編。

テーマは「解糖系(かいとうけい)」。

過去にも少し触れてきたテーマですが、今回はガッツリ深掘りしていきます!

■Podcastの配信をしています!
こちらからぜひどうぞ!

エネルギー産生の全体像

解糖系_ATP_エネルギー_慢性疲労_グルコース | 精密栄養学

体のエネルギー通貨と呼ばれるATP

これを作る代謝経路の中でも、解糖系は最初の入り口にあたるもの。

僕たちが食事で摂ったブドウ糖(グルコース)は、

  • 解糖系

  • TCA回路(クエン酸回路)

  • 電子伝達系

という3つの経路を順番に通って、最終的に大量のATPを生み出します。

この中でも電子伝達系がいちばんATPを生成するのですが、解糖系も「つなぎ役」として重要な役割を担っているうえに、ここでもしっかりATPが作られているんです。

過去の配信でも出てきている用語ですが、ここで一度しっかり整理しておきたいと思い、今回のテーマに選びました。

正直に言うと、今回はかなり難しい内容です笑

専門用語もたくさん出てくるので、1回で全部理解しようとしなくて大丈夫。

何度も読み返してもらう前提で進めていきますね。

Podcastの音声とこのテキストを併用していただけると、より理解が深まると思います!

Substackでは音声と記事の両方を同時にお楽しみいただけますので、よければ登録をお願いいたします↓

解糖系とは何か

解糖系とは、1分子のグルコース(ブドウ糖)からATPを作り出すための代謝経路です。

行われる場所は、細胞内の「細胞質基質(細胞質ゾル)」と呼ばれる領域。

これは細胞内の核やミトコンドリアといった細胞小器官を除いた、液体状の部分のこと。

プールのような液体の中で反応が進んでいるイメージですね!

解糖系全体の流れ

1分子のグルコースからスタートして、酵素による10段階の反応を経て、最終的に

  • 2分子のATP

  • 2分子のピルビン酸

  • 2分子のNADH

を生成します。

このピルビン酸というのは、次に続くTCA回路(クエン酸回路)に必要な物質。

解糖系で作られたピルビン酸が、ミトコンドリアに運ばれてさらにエネルギーが取り出されていく流れです。

そもそもATPって何?

解糖系_ATP_エネルギー_慢性疲労_グルコース | 精密栄養学

ATPはアデノシン三リン酸の略で、細胞が生命活動を維持するために不可欠な物質。

具体的には、

  • 筋肉の収縮

  • 神経伝達

  • タンパク質合成

  • DNAやRNAの合成

  • 物質の輸送

  • 体温維持

といった、体のあらゆる機能のエネルギー源として使われています。

つまり、ATPが不足していると体全体が不調を起こしやすくなり、十分にあれば体の反応がスムーズに進む。

今この瞬間の元気さ、集中力、疲れやすさに直結する、非常に重要な分子です!

ATPとADPはぐるぐる回っている

ATPはエネルギーを放出する際にADP(アデノシン二リン酸)に変換されます。

そしてADPはリン酸基を受け取って、再びATPとして再利用される。

このATP↔ADPの循環も、実はぐるぐる回り続けているんですね。

ADPはエネルギーを受け取る前の「充電待ちの分子」と思ってもらえれば、分かりやすいかもしれません。

解糖系の途中で出てくる「リン酸基を持った分子」がADPにリン酸を渡すことで、再びATPに復活する仕組みになっています。

解糖系10段階の反応:準備期(ステップ①〜④)

解糖系_ATP_エネルギー_慢性疲労_グルコース | 精密栄養学

ここからさらに難しくなりますが、極力わかりやすく説明していきますね。

前半の準備期は、ATPを消費しながら反応を進めていく段階です。

ステップ①:グルコースの取り込みとリン酸化

食事から摂取したグルコースが細胞内に入ってくると、ヘキソキナーゼという酵素によってリン酸化され、グルコース6-リン酸に変換されます。

ここで1分子のATPが消費される。

リン酸化の意義は、グルコースが細胞膜を通過して外へ逃げないように固定すること。

リン酸を受け取ることで、細胞内に閉じ込められるイメージです。

ステップ②:異性化

グルコース6-リン酸は、グルコース6-リン酸イソメラーゼという異性化酵素によって、フルクトース6-リン酸に変換されます。

異性化とは、原子の数や種類は変えずに、原子の配列だけを組み替える反応のこと。

分子の構成要素は同じで、形だけが変わるイメージです。

ステップ③:再びリン酸化

フルクトース6-リン酸はホスホフルクトキナーゼという酵素によって、再びリン酸化されてフルクトース1,6-ビスリン酸に変換されます。

ここでもATPが1分子消費されます。

最初のステップと合わせて、合計2分子のATPがここまでで使われたことになりますね。

ちなみに、このホスホフルクトキナーゼは解糖系の進行を調節する中心的な酵素。

ここはあとでもう一度説明するので、「重要な酵素なんだな」と覚えておいてください!

ステップ④:分子の分解

フルクトース1,6-ビスリン酸は、アルドラーゼという酵素によって2つに分解されます。

分解後にできるのが、

  • ジヒドロキシアセトンリン酸

  • グリセルアルデヒド3-リン酸

の2つ。

炭素数3個の分子に分かれるんですね。

ただし、ジヒドロキシアセトンリン酸はすぐに異性化されてグリセルアルデヒド3-リン酸に変わります。

つまり最終的には「2分子のグリセルアルデヒド3-リン酸」として揃うわけです。

「最初からまとめて変換すればいいのに」と思いますが、こういう流れみたいですね笑

解糖系10段階の反応:回収期(ステップ⑤〜⑩)

解糖系_ATP_エネルギー_慢性疲労_グルコース | 精密栄養学

ここからが回収期。

ATPを生み出していく段階に入ります!

ステップ⑤:酸化とNADHの生成

グリセルアルデヒド3-リン酸は、グリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼという酸化還元酵素によって、NAD+をNADHに変えながら1,3-ビスホスホグリセリン酸に変換されます。

ここで生成されるNADHは、後の電子伝達系で使われる重要な分子。

この反応によって、2分子のNADHが作られます。

ステップ⑥:いよいよATPが作られる!

1,3-ビスホスホグリセリン酸のリン酸基がADPに移ることで、ついにATPが合成されます!

これは「基質レベルのリン酸化」と呼ばれる反応で、ここで2分子のATPが初めて生まれます

ステップ⑦〜⑩:最終段階でピルビン酸へ

その後いくつかの反応を経て、最終的にピルビン酸キナーゼという酵素によってピルビン酸が生成されます。

ここでも2分子のATPが作られる。

つまり、ステップ⑥と⑩の合計で4分子のATPが生成される計算です。

解糖系のATP収支

ただし、最初にステップ①と③で2分子のATPを消費しているので、

  • 生成:4分子

  • 消費:2分子

  • 純生産:2分子のATP

これが解糖系全体で得られるATPの量になります。

数字だけ見ると「たった2分子?」と思うかもしれませんが、解糖系のあとにTCA回路と電子伝達系が控えているので、ここはあくまで入り口。

解糖系で作られたピルビン酸とNADHが、次の段階で大量のATPを生み出す材料になっていきます!

解糖系の調節と重要な酵素

10段階の反応の中で、すべてが自由に行ったり来たりできるわけではありません。

特に以下の3つの反応は不可逆

一度進むと戻れない反応です。

  • ステップ①:ヘキソキナーゼによるリン酸化

  • ステップ③:ホスホフルクトキナーゼによるリン酸化

  • ステップ⑩:ピルビン酸キナーゼによる反応

この不可逆性が、代謝の調節に大きな影響を与えています。

ホスホフルクトキナーゼは「代謝の信号機」

先ほど触れたホスホフルクトキナーゼは、解糖系の進行を調節する中心的な役割を持っています。

代謝の信号機のような働きですね!

この酵素は細胞内のATP濃度によって活性が調整されます。

  • ATPが十分にあるとき:反応速度を遅くして調整

  • ATPが不足しているとき:反応速度を早めて補う

こうした臨機応変な調整によって、細胞は無駄なくエネルギーを管理できているわけです。

細胞は思っている以上に賢い

つまり解糖系というのは、ただ機械的に化学反応が連続しているのではなく、細胞がその時々の環境に合わせて最適なエネルギー産生を行うために、細やかにコントロールされているというお話。

AIの自動化のように勝手に進むのではなく、状況を見ながら「足りない時は増やし、十分な時は減らす」という調節をしてくれている。

本当によくできた仕組みです!

仕組みを知ることが、自分の不調を読み解く第一歩

今回の内容は正直、難しかったですよね笑

これは本当に、何度も読んで自分の中に染み込ませていくしかない領域。

専門用語は「そういうものなんだ」と受け入れて、じっくり馴染ませていく作業が必要です。

慢性不調・慢性疲労の正体を探る

慢性疲労や慢性不調、不定愁訴など、いま世の中にはこうした悩みを抱える方が本当に多い。

そんな方に向けて、僕は日々「血液栄養解析」をお勧めしています。

https://mosh.jp/services/303787

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病院の診断ではなく、あくまで「病気になる前の段階で、なぜ不調が起きているのか」を栄養面から読み解いていくアプローチ。

医学やAI、テクノロジーがこれだけ発展している時代なのに、不調を抱える人やがんになる人は減っていない。

むしろ増えているという現実があります。

日本ではがんになる方が、いまや2人に1人。

男性に至っては3人に2人とも言われている時代。

なんかおかしいですよね?

病気になる前の「自衛」が必要な時代

つまり「病気になる前にやれることがある」という事実は、もはや明確です。

普通に好き勝手やっていると、なるべくしてなってしまう構造になっている。

人間には本能があって、甘いものやエネルギー、ドーパミンを求めてしまう。

そこを巧みにハックしてくるのが資本主義

それを繰り返すうちに体は壊れ、結局は医療費という形で高額な代償を払うことになる。

もちろん、資本主義のいい部分もあるので全否定はしませんが、この流れを止めるには、自分の意思で病気になる前段階で歯止めをかけるしかない。

人生100年時代の「最後の10年」

人生100年時代と言われる中で、最後の10年に不具合を抱える人は非常に多いと言われています。

10年も不具合を抱えたまま生きるのは、けっこう厳しい話ですよね。

もちろんその状態でも幸せの感じ方は人それぞれ。

ここを否定するわけではありませんが、元気な方がいろんな選択肢が広がるのは間違いありません

幸せの定義は哲学や宗教の領域にまで踏み込んでくると思いますので、別の話になりますが(僕はそこにも興味があるので、サイケデリック療法という分野にも踏み込んでいます笑)、まずは自分の現状を知ることから始めるのが第一歩です!

まとめ

本日は上級者編として、解糖系を詳しく解説しました。

体を良くするという目的のもと、西洋医学・東洋医学を問わず、いろんな知見を駆使して統合的にお話ししていますので、引き続きフォローやコメントをいただけるとすごく励みになります!

今は気候もいい時期なので、楽しみながら日々過ごしていきましょう。

それでは、今日も健康で!


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参考文献・エビデンス一覧

解糖系・エネルギー代謝に関する研究

  • Berg, J. M., Tymoczko, J. L., & Stryer, L. (2002). Biochemistry (5th ed.). W. H. Freeman.(解糖系10段階反応の標準的な記述)

  • Lehninger, A. L., Nelson, D. L., & Cox, M. M. (2017). Lehninger Principles of Biochemistry (7th ed.). W. H. Freeman.

ホスホフルクトキナーゼと代謝調節

  • Mor, I., Cheung, E. C., & Vousden, K. H. (2011). Control of glycolysis through regulation of PFK1: old friends and recent additions. Cold Spring Harbor Symposia on Quantitative Biology, 76, 211-216.

ATPと細胞機能

  • Bonora, M., et al. (2012). ATP synthesis and storage. Purinergic Signalling, 8(3), 343-357.

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